リウマチ科とは
関節やその周囲組織、結合組織の病気をみる内科です。リウマチ性疾患は原因が不明であったり、特異的な検査所見を欠く疾患が多く、また相互に重複することもあります。多彩な症状が現れることから、患者さんの症状をよく聞き、適切な検査を行うことにより、効率的に診断し治療を行います。
倦怠感・脱力・発熱といった全身症状、皮膚症状、疼痛、関節症状、こわばり
関節リウマチ、膠原病(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎/多発筋炎、強皮症など)、血管炎(結節性多発動脈炎、ANCA関連血管炎など)、シェーグレン症候群、成人スティル病、痛風など
関節リウマチとは、免疫の異常により関節を包む滑膜に炎症が起こり、それが増殖して軟骨や骨が破壊します。進行すると関節が破壊され、日常生活に支障をきたすことがあります。最近の研究では、関節破壊は発症後の早期から進行することが明らかになりました。早期に発見して適切な治療を行えば、症状をコントロールして関節破壊が進行するのを防ぐことができます。骨および軟骨の破壊を積極的に抑える薬としてメトトレキサート、さらに骨破壊を強力に抑えることが可能な生物学的製剤が導入され、治療目標が寛解を目指せるようになりました。
免疫には自己と非自己を厳密に区別して、自己とは反応しないような仕組みがあります。しかし、何らかの原因によってこの仕組みが崩れ、自分自身を標的として免疫反応が起こってしまう場合があります。これを自己免疫と呼び、膠原病患者の血液中に自己反応性リンパ球や自己抗体が見つかり、これが原因になっていると考えられます。このため膠原病は自己免疫疾患とも言われます。膠原病の治療には病気を引き起こすリンパ球の働きを抑えたり、自己抗体が作られるのを抑えるために、副腎皮質ステロイド(ステロイド)や免疫抑制剤が用いられます。
2010年にはリウマチの分類基準(診断基準)が改訂され、より早期からの治療開始が可能となりました。ただ、発症間もない早期の関節炎ではレントゲンでの所見はなく、診察でも炎症反応がはっきりしない場合があります。関節超音波検査がその早期の炎症を見つけるのに有用とされており、当院でも関節超音波検査などを行い、適切な治療が早期から開始できるよう努めています。
関節リウマチによる滑膜炎、骨病変が評価でき、診察よりも正確に滑膜炎を判断ができることで早期診断に有用と言われています。また、活動性の評価が可能なため、治療評価にも有効です。
治療開始時は活動性滑膜炎(赤い部分)を認めているが治療開始後には消失。